2015年7月23日木曜日

シマノ11速13-28クロスギヤレシオカセット?!

どうも、YMDです☆
お久しぶりの更新です^^;
ここんとこ全然更新してなかったのに、
それなりに見てくれてる方はいらっしゃるみたいで、
ありがたいことです☆

さて、今回のネタは自転車(ロードバイク)の駆動系、
以前にもやったことのあるクロスギヤレシオのカセット作成!
以前にやったのは、シマノの11-32と14-28を組み合わせて、
14-32というカセットを作るというものでした。

シマノ11速クロスギヤレシオカセット

その後、案として13-28もあったらいいな~って考えてました。

シマノ11速クロスギヤレシオカセットその2(案)

はい、作りましたよ(笑)
13-28カセット~♪
いきなりの完成形ですが(笑)、
これでロー側からのギヤ構成が
28-25-23-21-19-18-17-16-15-14-13
となりました。
赤文字のギヤが増えたことで、13-19の間がフルクロスになってますね☆
トップが13でフロントがコンパクトの50でも、
ケイデンス105で約50km/h出る計算になるので、
競技でもない限り、ほとんどの人はこれで充分なんじゃないかなぁと思います。
最高速より、よく使う部分がクロスになるメリットの方が大きいかと☆

さて、このカセット、どうやって作ったかといいますと、
ま~上にリンク貼ってる過去記事にも書いてるんですが、
BBBのカセットを使いました☆

BBB BCS-11S 13-25
BBBのカセットはギヤが一枚ずつに分かれているので、
組み合わせを変更するのが比較的簡単にできます。

左:BBB BCS-11S 13-25
右:シマノ CS-6800 11-28(汚いのはご勘弁^^;)

BCS-11Sをばらしたところ
このように、一枚ずつが完全に独立しているので、
ギヤ比の構成を好きなように変更することが出来ます。

今回はトップ側の6速にBCS-11Sを使い、
ロー側の5速にCS-6800を使って13-28という構成を作りました。

実はまだ実走での確認は出来てないのですが、
スタンド上で確認する限りは、変速に関してもほとんど問題なさそうです。
メーカー違いを混ぜてるので変速性能は心配だったのですが、
きっちりとディレイラーの調整をすれば普通に問題なく使えそうな感じです。

前回作った14-32は、より脚力のない人や坂道が好きな人に、
今回の13-28は、それよりもう少し脚力があったり平坦よりな道が好きな人に、
そんな感じでの選択肢の一つになるかなぁと思います。
ぜひ皆さんもお試しあれ☆

2015年4月3日金曜日

LMPカーのハイブリッドパワーはどれぐらい?

どうも、YMDです☆
また間が空いてしまいました。

モータースポーツのシーズンも開幕して、
色々なカテゴリーのレースやテストが行われていますね。
F1も好きですが、個人的には各メーカーがそれぞれのアプローチで
マシン開発を進めているWECが好きだったりします。

WEC(World Endurance Championship=世界耐久選手権)は
伝統のル・マン24時間レースに出場するマシンで戦われるシリーズですが、
現在はアウディ、トヨタ、ポルシェ、そして今年から参戦(予定)のニッサンと、
そうそうたるメーカーがしのぎを削っているシリーズでもあります。
先日の開幕前のテストでは二年目となるポルシェが調子の良い所を見せていました。

WECテスト:ポルシェが2日間の全セッションで首位
http://as-web.jp/news/info.php?c_id=9&no=64164

これらのメーカーが走らせているマシンですが、
その中身は実はハイブリッドカーだったりします。
日本ではプリウスが有名ですね。
プリウスとは少し違って、速く走るためにそのハイブリッドのシステムを使っています。
要するに、モーターの力をエンジンの力にプラスして走るわけですね。

そのモーターの力ですが、
レギュレーションによって1周の間に使えるエネルギーが定められています。
単位はMJ(メガジュール)で、
2MJ、4MJ、6MJ、8MJの4つのレベルのいずれかを選択します。
使うエネルギーのレベルによって、
エンジン側が使える燃料の流量(単純に言うとパワー)に差があって、
モーター側が使えるエネルギーが大きくなるほど、
エンジン側のパワーが小さくなるようなレギュレーションとなっています。

ル・マン・プロトタイプ (LMP)車両規定
http://ja.wikipedia.org/wiki/FIA_%E4%B8%96%E7%95%8C%E8%80%90%E4%B9%85%E9%81%B8%E6%89%8B%E6%A8%A9#.E8.BB.8A.E4.B8.A1.E8.A6.8F.E5.AE.9A

さて、このMJ(メガジュール)という単位、聞き慣れない人も多いと思います。
僕自身も、正直そんなに馴染みのある単位ではありません。
そこで、より馴染みのある馬力(PS)という単位に換算するとどうなるか計算してみることにします。

ジュールという単位はエネルギーの単位なので、
そのままだと仕事率の単位である馬力に換算することは出来ません。
ちょっと分かりにくいので、Wikipediaも載せときます☆

メガジュール
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%AB#.E3.83.A1.E3.82.AC.E3.82.B8.E3.83.A5.E3.83.BC.E3.83.AB

要は、「馬力×時間=ジュール」ということです。
そして、この馬力という単位は、W(ワット)という単位にそのまま変換できます。
これはイコールの関係です。
このワットは皆さんもお馴染みの、あの電気の電力の単位と同じです。

で、このジュールとワットと馬力の関係、
基本的な部分は下のようになります。

1ジュール=1ワット×1秒
1ワット=0.00136馬力

ということは、
1メガジュール=1,000,000ジュール=1,000,000ワット×1秒=1,360馬力×1秒
ということになります。

やっと具体的な数字が出てきましたね(笑)

ということは、最大の8MJを選択した場合、
1,360馬力のパワーを1周あたり8秒間発揮できる!!
136馬力なら80秒間も発揮できるということです。

この範囲の中で、例えば車速が落ちる低速コーナーの立ち上がりなどでは
システムの能力を最大限発揮させて素早くマシンを加速させ、
スピードが乗ってくるとハイブリッドをオフにする。
中速コーナーの立ち上がりは少しだけハイブリッドパワーを使う、
といった感じの制御が行われていると思われます。
そうやって最もラップタイムや燃費効率の良い制御を煮詰めていくのも、
難しそうですけどなんか面白そうですね☆

ちなみにこのハイブリッドエネルギーの選択ですが、
最大の8MJを選択しているのがポルシェ(去年は6MJ)、
ハイブリッドの先駆者のトヨタは6MJ、
ディーゼルパワーが強力なアウディは去年までは2MJで今年は4MJを選択しています。
今年新規参戦のニッサンは一番低い2MJと予想されています。
このようにメーカーによって選択が分かれるのも面白いところですね☆

では、今日はこれぐらいで・・・

2015年3月15日日曜日

いいモノは最初からいい

どうも、YMDです☆
いよいよF1が開幕しましたね。
今シーズンから復帰したホンダは、予選の結果を見る限りかなり厳しそうな感じ。
そんなホンダの様子を見てて感じた、ちょっとしたお話を。

僕は1990年頃から色々なモータースポーツを見てきてるんですが、
(1998~2003年頃の間は自分でレースもしてました)
いいマシンというのはシェイクダウンの時からいい素性を見せるものなんですよね。
今年のマクラーレン・ホンダのマシン、
オフシーズンのテストでドライバー陣がとてもフィーリングがいいと言っていたので、
トラブルは多かったけど、そこさえ解決出来ればそこそこ悪くないんじゃないかと思ってました。
テストのタイムはあんまり参考にならないですしね。
でも、予選で実質最下位というこの結果を見て、
あー、今シーズンはかなり厳しいことになるなぁと思いました。
一周のタイムだけで競う予選でいいタイムが出ないというのは、
あまりマシンパッケージの素性が良くないというのを暗示してるのではないかと思います。

2015 F1オーストラリアGP予選結果
http://as-web.jp/news/info.php?c_id=1&no=63819

こういう話は設計の仕事してても似たようなことはあるもので、
やっぱりいい設計の機械は最初から狙った通りの性能を出すものなんですよね。
僕自身、複合機メーカーで働いてた時に、
業界初の方式の原稿送り装置の開発主担当になったことがあるんですが、
念入りに色んなことを検討して設計出来たので、
一発目の試作機からほぼ狙い通りの性能を出すことが出来てました。
(もちろん、細かい不具合は色々出ましたが)
一からの機械の設計はそれがほぼ初めての経験だったので、
これはすごく自分の自信に繋がりました。

逆に、ここはちょっと不安だなぁと思って設計してたところなんかは、
開発でテストを重ねるうちにやっぱり不具合が発生するものなんですよね。
軽い不具合ならそこで対策すればいいんですが、
基本設計に関わる部分で不具合が発生しているとなると、かなり大変なことになります。
幸い、この原稿送り装置ではそういうことは発生しなかったのですが、
テストで発生しなかっただけで市場に出てから起きるということも無いとは言えないので、
市場に出てからもしばらくは少しドキドキする部分はありました。
幸い、そちらも大きな不具合はなかったようで良かったんですが☆

今回のマクラーレン・ホンダに関して言えば、
実際のレースの現場で予想以上に性能が出ていなかった。
それがソフトウェアの部分のアップデートなんかで対処出来る範囲であればよいのですが、
パワーユニットやマシンの基本設計自体に問題があったとすれば、
マクラーレンにとってもホンダにとっても、今シーズンはかなり厳しいものになるのではないでしょうか。
特にパワーユニットに関して言えば、
今のF1はレギュレーションでシーズン中の開発が厳しく制限されているので・・・
現実に、ルノーは二年目でも信頼性・性能の両方で未だにかなり苦しんでいるようです。

マクラーレンやホンダのエンジニアの方々にはもちろんすごく敬意を持っているのですが、
現実として今シーズンに限って言えば、
今の状況はかなり厳しいのではないかなぁというのが正直なところです。
ぜひその予想を裏切る活躍が出来るようになってもらいたいものですね☆

2015年3月13日金曜日

アルトターボRS!

どうも、YMDです☆
少し更新の間が空いてしまいました。

ホイールの新しいスポークパターンを考えたりなんかはしてるんですが、
まだ案のレベルなんでひとまずそちらは置いといて・・・

タイトルにある通り、
3月11日に新型アルトターボRSという車が発売開始となりました☆

スズキ アルトターボRS
http://www.suzuki.co.jp/car/alto_turbo_rs/

今回は特に技術的なことを書こうと思ったわけではなく単に僕が欲しい!と思っただけなのですが(笑)、
僕が一番に注目したのはその重量です。
2WDで670kgというのは、車体サイズが一回り小さかった旧規格時代の軽自動車とほぼ同じレベル!
今調べてみたら、旧規格時代のアルトワークスで650kgなんで、
車体が一回り大きくなって、色々装備とか安全面も向上して、
それで同じレベルまで軽くしたというのは、かなりの努力と苦労があったかと思います。

やっぱり「走る」という面においては、
軽いということはほぼ絶対正義とも言えるかと思います。
もちろん、ボディ剛性や安全面の確保は必須なのですが、
車が物理の法則に則って動く以上、質量というのは少ないに越したことはありません。
(だからレーシングカーは軽量化が行き過ぎないようにルールで最低重量が定められています)

実際にドライバーとして運転する楽しみという面からも、
やはり軽い車というのは動きがキビキビとしていて気持ちが良いものです。
僕自身、旧規格のヴィヴィオRX-R(4WD)、コルトバージョンR、
そして現在はRX-8と乗り継いできてますが、
実は運転していて一番楽しいと感じられたのは、
日本一のハンドリングマシンと呼ばれているRX-8ではなく、ヴィヴィオの方なのです。
(もちろん、RX-8にはRX-8の魅力はあります)

そのヴィヴィオは4WDで720kgでこの新型アルトの4WDと同じ・・・
と思ってたら、今確認してみたらヴィヴィオは760kgやった模様。
新規格サイズで大きくなっていてボディ剛性とかも上がってるのに、
あのヴィヴィオよりも軽いと今気づいて、余計欲しくなってきました(笑)

もう一つ注目しているのは、AGSという自動変速マニュアルミッションです。
(マニュアルなのか自動変速なのかどっちやねんって感じですが笑)
要は、変速機そのものはマニュアルミッションのものを使い、
そのクラッチ操作と変速操作を自動化させたもの、ですね。
個人的に、マニュアルミッションのダイレクト感が好きで、
免許を取ってから現在に至るまで自分の愛車として乗っているのはMT一筋なのですが、
これならMTとATのいいとこ取りといった感じで興味が湧いています。
何より、F1みたいなパドルシフトがあるのがいい!
パドルシフトがなかったら候補から外れるところでした(笑)

あ、ちなみに買うなら4WDの方と思ってます。
レーシングカート出身のせいか、
どうにも前輪駆動車のドライビングのイメージが上手く湧かなくて・・・
ヴィヴィオの後にコルトに乗っていますが、その前輪駆動の違和感が最後まで拭えなくて、
新車で買ったのに初回車検を待たずに手放してしまいました。
まぁ、急にロータリーエンジンに乗りたい!!ってなったのも大きいんですが(笑)
4WDのヴィヴィオは前輪駆動的な癖はなく、ドライビングのイメージがしやすかったので、
このアルトターボも4WDなら好みの感じなんじゃないかな?と思っています。

燃費もカタログ値で25km/lぐらいやし、そういう面でも気にせずに走れる(笑)

実は他にもマツダ・デミオやCX-3も考えてはいたのですが、
実際に発表されるとアルトターボが完全に第一候補になりました☆
あとはいつ予算を確保出来るかだけの問題ですね♪

2015年2月26日木曜日

非対称オフセットリムの方が効果はあるのでは?

どうも、YMDです☆
前回の記事に引き続き、
ホイールのスポークテンションバランスについて・・・

前回の記事ではハブフランジの幅や大きさの影響について考察しましたが、
そこでフランジの幅方向の位置の影響が大きいと結論付けました。

その後、ふと
「あ、非対称リムってのがあるやん」
と気付きました(遅い)

フランジの幅方向位置の影響が大きいなら、
非対称リムによるリムのオフセットは結構効果大きいのでは?!

というわけで、今回もCADで検証してみましょう☆

手組で使える非対称リムってのはホントに限られてるみたいですね。
とりあえず有名なDTのこれで見てみます。

DT RR440 ASYMMETRIC
http://www.dtswiss.com/Components/Rims-Road/RR-440-asymmetric
オフセット量は明記されてませんが、とりあえず3mmぐらいかな?

まずはエボライトハブの場合から。

駆動側4.02°、非駆動側6.93°
リムの径が違うので厳密に非対称形状の分だけではないですが、
ENVE 1.45の場合だと3.63°の8.04°なので、左右バランスはかなり改善されてますね!

お次、超ハイローフランジのBARTIME RS100ハブ

駆動側4.34°、非駆動側6.6°
おー、かなり近づきましたね。
これぐらい近いと左右同数スポークで普通に組んでも問題なさそうな☆

最後、個人的に一番好きなフランジ寸法のSUZUE

駆動側4.29°、非駆動側7.91°
上2つよりバランスは悪いですが、マシにはなってますね☆

なんかたくさんのパターンで検証して何が何だかになってきてるので、
各パターンでの結果を表にまとめてみました。

左右バランスの良さを見るために、左右のスポーク角度の比も載せてみました。
ちょっと見方が難しいかもですが、同じハブ同士、同じリム同士で比べてみると、

・エボライトハブの場合
 リムをENVE 1.45からDT RR440にすると、左右比が2.21→1.72と約0.5ポイント改善

・ENVE 1.45リムの場合
 ハブをエボライトからRS100にすると、左右比が2.21→1.95と約0.25ポイント改善

リムをわずか3mmオフセットさせるだけで、
かなりの改善効果が見られるのが分かるかと思います。
ただ、ハイローフランジに効果が無いわけではないので、
この2つを組み合わせたパターン(RS100ハブ+RR440非対称リム)だと、
左右比が約1.5まで近付きます。
上でも書きましたが、これぐらい近くなると2:1組じゃなくても充分なホイールが組めそうな感じもします。

ちなみに、左右のスポーク角の合計が横剛性の大きさにほぼ比例するものと考えられます。
これに関しては、
・ハブのフランジ間幅が広い
・リムの径が小さい≒ディープリム
という2点が大きな要素になります。

RS100ハブはこの合計角度もエボライトハブとほぼ同等で、
かつ左右バランスをエボライトハブより改善出来るので、
一度RR440非対称リムと組み合わせてホイールを組んでみたいですね☆
スポークは、駆動側DTコンペティション、非駆動側DTレボリューションor SAPIM CX-RAY、
組み方は駆動側3cross、非駆動側4crossとかかな。

と書いたところで、
次回はこのスポークの太さや組み方によるテンションの違いを検証してみましょうか。
実は、持ってるホイールもこのように左右でスポークの太さを変えて組んであるのがあるのですが、
それがどういう理屈で効いてるのか整理できていないので、一度整理してみたいと思います。

それはそうと、ここんとここんなマニアックな記事ばっかり書いてますが、
いくら機械設計屋のブログやからって、
こんなマニアックな記事興味持って読む人いるんでしょうか?(笑)

2015年2月21日土曜日

ハイローフランジは左右バランス是正に効果はあるのか?

どうも、YMDです☆
今日は前回の記事に引き続き、ホイールについて書きたいと思います。

前回でも書いたホイール後輪の左右スポークバランスですが、
完組でも手組でもハブのフランジをハイロー(駆動側が大きく非駆動側が小さい)形状にして、
なんとか左右バランスを少しでも是正しようという意図が見えます。
そこで、ハイローフランジがどれぐらい是正に効果があるのか、
スポーク角度という観点から確認してみたいと思います。

まずは手組ホイールで一般的に使われているTNIのエボライトハブで見てみましょう。
またCADで線を引いてみました。
ちなみに、リムはENVE1.45として寸法を置いてあります。


TNIのエボライトハブは、駆動側がφ49mm、非駆動側がφ41mmの
少しだけハイローとなっているハブですが、
この場合で、駆動側のスポーク角度が3.63度、非駆動側が8.04度となります。
フランジの幅方向の距離が、
リムセンターに対して駆動側が16.35mm、非駆動側が36.93mmとなっており、
倍以上の差があるので、
この程度のハイロー具合だとスポーク角度も倍以上の差のままとなります。

ちょっとこれだけだとハイローフランジの検証になりませんね。
では、もっと極端なハイローフランジハブで見てみましょう!
そんなハブがあるのかなぁと思ってましたが、ありました(笑)
初めて見た時、ちょっと笑いかけましたが、作ろうという人はいるものですね☆

BARTIME RS100
http://www.bartimecycling.com/product-Hubs-RS100.php

このハブ、駆動側のフランジ径がφ90mm!!
実にTNIのハブの倍近い寸法です。
非駆動側はφ37mmとなっていて、かなりのハイローとなっています。
では、同じくCADで線を引いて確認してみましょう。


はい。
あれ、こんな程度なのか・・・
駆動側の角度が3.93度、非駆動側が7.67度。
駆動側のフランジ径がほぼ倍で、フランジ幅方向の寸法もほとんど同じなのに、
角度は0.3度しか改善されませんでした。

では、ハイローではないハブでも一応見てみましょう。
今回、実際に組むのに使ったSUZUEのクラシックハイフランジハブです。


このハブはフランジ径が両側φ67mmで、
フランジ幅方向の寸法も駆動側が16.95mm、非駆動側が39.95mmと、
上記2つのハブより広い寸法となっています。
角度は、駆動側3.9度、非駆動側9.13度となりました。
駆動側はRS100ハブと同じぐらい、
非駆動側は上記2つより頭ひとつ角度がついてますね。

では、ここで少し実験をしてみます。
エボライトハブの寸法を変えてみたら、どのようにスポーク角度が変わるでしょうか?

まずはフランジの位置関係はそのままに、
駆動側のフランジ径を10mm大きくしてみましょう。


駆動側のスポーク角度は3.7度になりました。
もとが3.63度なので、フランジ径10mm(半径は5mm)あたりの改善は約0.07度となりますね。

ではフランジの幅方向をいじればどうなるでしょうか?
駆動側のフランジを1mm外に移動させてみます。


こちらは駆動側のスポーク角度が3.85度となりました。
幅方向については、1mmあたり約0.22度の改善となります。


以上のことより、ここでは下のように結論をまとめたいと思います。

ハイローフランジに効果がないことはないが、
その効果は幅方向の寸法に比べてかなり小さくなる。

要するに、フランジ径の差を10mm大きくするより、
フランジの幅方向の差を0.5mm小さくする方が効果は大きいということですね。

もちろん、11速化によって駆動側のフランジはすごく狭苦しい思いをしているので、
現実には駆動側フランジの幅方向の位置をそんなに簡単に動かせません。
かといって非駆動側フランジの幅方向寸法を狭くすると
全体としてのスポーク角度が小さくなり、ホイールの横方向の剛性が弱くなってしまいます。
(それは分かっててこんなこと書いてます笑)

多段ギヤが付いている駆動側のスポーク角度は出来るだけつけたい、
ホイール全体としての剛性も確保したい、
でも左右バランスはある程度保ちたい・・・
ハイローフランジはそんな中での苦肉の策と言えそうですね。

個人的に2:1組が最も良いだろうと思うのは、
このようにハイローフランジのハブでもほとんど解消できないぐらいの角度差があるからです。
それならスポークの本数そのものも左右で差をつけるのが合理的だと思えます。

偉そうに書いてますが、あくまで設計的な観点からこのように書きました。
実際に手組を行っている方の中には、
ハイローフランジは効果があると書いている方もいらっしゃるので、
ハイローによる少しの違いが、実際のホイール組には大きいのかもしれませんね。
理論は大事ですが、頭でっかちになるのではなく、
現場の声も大切にする設計者でいたいと思います。

2015年2月20日金曜日

スポークの組み方及びハブフランジ径による駆動効率の違い

どうも、YMDです☆

昨日の記事はスマホから勢いで書いて、
ちょっと肝心な部分を書き忘れてたのでもう少し追加します。

リヤについては考える要素がフロントより多いと書きましたが、
それは駆動が関わってくるからです。

・駆動が必要になる
・そのための駆動ギヤがあることによってスポークの角度が左右で異なる

ざっくりと挙げて、大きくはこの2つの要素によって影響が出ます。

左右のスポーク角の違いによるアンバランスの是正は、
昨日の記事のように2:1組や左右でスポークの太さを変える、
左右で組み方を変える等によって行われています。
個人的には、角度自体が倍ほども違うので、
スポークの本数自体をそれに応じて変える2:1組が最も良さそうと考えています。

さて、もう一つの要素の駆動を伝えないといけないという点ですが、
ENVEで組んだホイールはリヤのスポークを

ドライブ側:3クロス組
反ドライブ側:1クロス組

としました。
この理由について説明します。

特殊なホイールを除いて、自転車のホイールはスポークにテンションが与えられて、
そのテンションでリムを回して駆動力を伝達するという構造になっています。
スポークを引っ張るのはハブのフランジであり、
ハブのフランジがスポークを一番強く引っ張れるのは、
スポークがハブフランジの径に対して接線方向になっている時になります。
つまり、スポークの角度を接線方向に出来るだけ近付けるのが
駆動伝達効率に対しては良いということになります。

今回組んだホイールのスポークパターンをCADで図にしてみました。
まずドライブ側の図です。

実際のハブやリムの寸法を入れて角度を測ってみると、
今回の組み方ではスポーク角度は約78度となりました。
(ラジアル組が0度、完全接線方向が90度とした場合です)
かなり接線方向に近いのが分かると思います。

続いて、反ドライブ側の図です。

今回、反ドライブ側はラジアル組ではなく、1クロス組にしました。
その理由は、ひとえに出来るだけ駆動伝達効率を上げたかったからです。
反ドライブ側は8本しかスポークがないので、
現実的な範囲で組むことが出来る1クロス組にしました。

ラジアル組の場合、ハブがスポークに与える力をベクトル分解しても、
駆動を伝達する方向への力は理論上は0になります。
(スポークテンション等の要素があるので、現実には完全に0にはなりませんが)
駆動を担う後輪でそんなラジアル組を採用するハッキリとした理由が見つけられなかったので、
後輪にラジアル組を入れる考えはありませんでした。

今回の場合、スポークを引っ張る力をベクトル分解してリムを回す方向の力の大きさを見ると、
反ドライブ側はドライブ側の約62%のリムを回転させる力を発生することになります。
(スポーク1本あたりでの比較、ハブの接線方向に働く力が同じになるとして)
ちなみに、スポークの角度は約50度になります。

以上のことが、今回のホイールで2:1組の3クロス&1クロス組を採用した理由です。

なお、ハブのフランジ径も駆動伝達効率に大きく影響があるのでは?
と考えて、今どき希少なハイフランジのハブを採用したのですが、
こちらについては考えてた理論に間違いがありました。

間違いの元となった手書き図

この図に書いてあるとおり、
ハブフランジがスポークを引っ張る力を一定として考えると、
スポークがリムを回そうとする力はハブフランジの径に完全に比例します。
要はフランジ径が大きいほど駆動伝達力が優れることになります。
この図でφ40だと8kg、φ65だと13kgと書いてあるのがそのことになります。

しかしながら、ホイールが完成して実走も済ませた後、
本当にそんなに美味しい話があるんだろうかと疑いの目が出てきました。
ホイール自体の性能に文句はなかったので、
それを理論的に実証しようとして逆に理論の間違いに気付きました。

この理論でいくと、駆動伝達効率が最高になるのはディスクホイールになります。
それもスポークホイールと比較した場合に桁違いの差が発生することになります。
ディスクホイールが駆動効率に優れていることは事実ですが、
この理論が合っているのなら、
ディスクホイールにするだけで10倍ほども伝達効率が上がることになります。

そこでふと気付きました。
自転車にホイールを付けて走る場合、
ホイールを回すのはギヤを介してハブの軸を回して、その力が伝わって、となります。
前提条件として一定にしなければならないのは、ハブ軸に働くトルクなのでした。
トルクが一定の場合、ハブフランジがスポークを引っ張る力は、

スポークを引っ張る力=トルク÷ハブフランジ径

となり、ハブフランジ径が大きくなるほどスポークを引っ張る力が小さくなります。
結果として、ハブフランジ径が大きかろうが小さかろうが、
スポークがリムを回そうとする力はほとんど差が出ないということになります。
改めて考えるとかなり間の抜けた話です。
美味しい話には気を付けろということですね(笑)


今回はかなり理屈っぽい話を長々と書いてしまいました。
出来るだけ普通の人にも分かるような書き方を心がけましたが、
いかがだったでしょうか?
僕も設計者として、こんな間違いをしないようにもっと精進していきたいと思います。

2015年2月19日木曜日

究極の手組ホイールを考える

どうも、YMDです☆

自転車(ロードバイク)に乗っていると欲しくなってきますよね。

ホイール☆

市場には色々なメーカーが色々なタイプのホイールを出していますが、
機械設計屋の性なのか、
ホイールを選ぶのにメーカーお仕着せの完組ホイールにはあまり目を向けず、
自分でリム・ハブ・スポーク・組み方等を選べる手組ホイールの方に興味が向いてしまいます。

現在、手元には2セットホイールがあるのですが、
その2セット共が手組ホイールです☆
今日はそのうちの僕が考える中での究極を求めた方のホイールをご紹介します。

とりあえず写真を☆

リヤ・ドライブ側

リヤ・反ドライブ側

フロント

リヤを斜めから

さてこのホイール、仕様は下記のようになってます。

フロント
リム:ENVE 1.45 チューブラー 20H
ハブ:Bike Hub Store SLF71W 20H
スポーク:SAPIM CX-RAY
組み方:ラジアル組
重量:486g

リヤ
リム:ENVE 1.45 チューブラー 24H
ハブ:SUZUE クラシックハイフランジ 32H
スポーク:SAPIM CX-RAY
組み方:2:1組(ドライブ側・3クロス、反ドライブ側・1クロス)
重量:755g

タイヤは前後ともMAXXIS Campione

まずフロントですが、
フロントに関してはあまり考える要素は多くはないので、
色んなところを探した中で最もハブのフランジ幅が広いものをチョイス。
フランジ幅を広くすることで横方向の剛性を稼ぐことが出来ます。
ただ、少しだけやり過ぎた感もあって、
当初はフロントも2クロス組を考えてたのですが、
フランジ幅が広すぎて2クロス組にするとフォークと干渉するぐらいになっちゃってました。
仕方なくラジアル組に変更しました。

リヤは色々と考える要素も多く、設計屋としては面白いところです。
左右対称の形状ではないので、
左右同数スポークよりも異数スポークの方がバランスがいいはずなのでは?
現実に、カンパニョーロやシマノ等でも2:1組が普通に取り入れられています。
ホイールを後ろから見た時のスポークが立っている角度、
これがドライブ側と反ドライブ側でおよそ倍ほどの角度差となっているので、
スポーク数を2:1にするのは理に適っていると考えられます。

なおかつ、ラージフランジのハブにすれば、
理屈上はかなりの駆動効率改善効果がある!
と思いましたが、こちらに関してはホイールが出来た後に改めて考え直したら、
その理屈の前提条件に間違いがあることに気付きました。
そりゃそうだ、そんなに劇的に効くならメーカーが取り入れないはずがない(笑)
これに関しては機会があれば別記事にして書こうかと思います。

ラージフランジの駆動効率改善効果は別として、
このSUZUEのハブはフランジ寸法的にも剛性面で有利な寸法となっていて、
(フランジ幅が広い)
結果的には良い仕上がりとなりました。
ラージフランジで見た目も結構カッコいいし(笑)

さて、ホイールの性能の大きな部分を占めるリムについては、
手組ホイールで選べる中ではある意味定番でもあるENVEの1.45をチョイス。
リム高45mmにして、実測でも300gを切るほどの軽量リム。
さらに強度や剛性も十分に確保しているという、
手が届く中では究極と言えるリムでしょう。

スポークに関しては、リム以上に定番のCX-RAYです。
こちらは手組ホイールで性能を求めるなら定番中の定番といったところでしょう。

ホイールビルドは大阪箕面のガソリンアレイさんにお願いしました。
このようなマニアックな要求にも親切に対応してくださる信頼の置けるショップさんです。
もちろん、ホイールビルドの技術も一級品で、
このホイールの前に組んでもらったホイールは一年ほど使っても振れなし!
今回もバッチリでした☆

実際に組み上がったこのホイールで走ってみると、
今まで使ってたアルミリムのホイールの完全上位互換といったところで、
ブレーキ性能以外は劣るところなし!
加速性、巡航性、乗り心地、どれも素晴らしいものでした。
乗り心地まで良かったのは、嬉しい誤算でした(笑)

このように、新しいモノの形を考えるのだけではなく、
既存のものを組み合わせて形にするというのも設計と言えると思います。
設計って難しいことのように思えますが、少し理解出来るようになると面白いものですよ☆

2015年2月16日月曜日

レーシングカーはタイヤが4つと誰が決めた?→タイレルP34

どうも、YMDです☆
本日もレーシングカーネタでございます。

個人としてはSNS等で何度かネタに取り上げているのですが、
昨日のニッサンの前輪駆動LMPと同じぐらいか、
あるいはそれ以上に変わったレーシングカーが昔存在していました。

タイレルP34(Wikipedia)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%AC%E3%83%AB%E3%83%BBP34

あえて「タイレル」と書きましたが、
後年、中嶋悟や片山右京が在籍したチーム「ティレル」の6輪マシンです。

小さい頃からレースが好きだったので存在自体はかなり昔から知っていましたが、
機械設計の仕事をするようになって、このような発想は改めてすごいなぁと思っています。

たぶん、ほとんどの人がレーシングカーを設計しようとしたら、
「とりあえずタイヤは4つ」から始めることでしょう。
固定概念といえば固定概念ですが、そもそも疑問を持つことすらない、
そんなレベルの話だと思います。

ところがこのチームは、
「空気抵抗を削減したい、そのためには前輪が邪魔だ、小さくしよう」
「小さくしたらグリップが落ちてしまう、じゃあ前輪の数を増やせばいいじゃないか」
という、かなりのゼロレベルからの発想でこのマシンを作り上げてしまいました。

結果としてはそもそもの目的である空気抵抗削減は大きな後輪がそのままだったため、
思ったような成果は得られなかったようなのですが、
前輪が4つとなったことでブレーキ性能やハンドリング性能が向上し、
テクニカルなコースとの相性が良かったそうです。
ただの変わり者マシンではなく、優勝という結果すら残しているという、
れっきとした名マシンでもあるのです。
当初の狙いとは別の部分での性能向上によって結果を残したというのも面白いところですね。

僕自身も機械設計エンジニアとしてこのような発想も生み出せるように、
当たり前と思われるところに疑問を持つこと、
そこからのゼロベースでの考察、というのは大事にしたいと思います☆

2015年2月15日日曜日

FFのルマンプロトタイプカー

どうも、YMDです☆

もともとレーサー目指してたり、レーシングカーのコンストラクターで働いてたりしたんで、
今でもレースに関しては興味を持って見ています。
特に好きなのはルマン24時間レースなんですが、
今年から復帰するニッサンのマシンは、意表を突く前輪駆動!
かなり意外でしたが、ニッサンなりの思惑があってのことなんだろうと思います。
発想としては非常に興味をそそられるので、
実際にレースでどんな走りをするのか期待しています☆

『ニッサンGT-R LMニスモ』遂に公開! 駆動はFF - スポーツカーニュース
http://as-web.jp/news/info_smart.php?c_id=9&no=62913

GT-R LMニスモ、米国内でテストプログラム進行中 - スポーツカーニュース
http://as-web.jp/news/info_smart.php?c_id=9&no=63076

2015年2月14日土曜日

シマノ11速クロスギヤレシオカセットその2(案)

どうも、YMDです☆
今回は12日に書いた記事の別バージョンの案のご紹介です。

12日の記事では14-32のクロスギヤレシオカセットについて書きましたが、
やっぱりトップ14Tはいざというときのことを考えると・・・
という方もいるかと思います。
でもやっぱりトップ12Tまではいらないかも・・・とも。
そうなるとトップ13Tのカセットになりますが、
トップ13Tでローも28Tとかのカセットというのはほとんど見かけません。
(少なくともシマノ純正では出ていませんね)

そうなると、例のごとく組み合わせてみようじゃないか!
というわけで現在検討中なのがBBBの13-25カセットを使う方法☆

http://bbbcycling.com/bike-parts/cassettes/BCS-11S

このBBBの13-25カセットの歯数構成は
13-14-15-16-17-18-19-20-21-23-25
となっていて、いい感じのクロス具合です。

これに組み合わせるのはシマノの11-28カセット。
歯数構成は
11-12-13-14-15-17-19-21-23-25-28
オレンジのところが1枚飛びになっていて、
やはり平地で使う程よいところが気持ちよく繋がらなくなってます。

11-28のロー側5速と13-25のトップ側6速を組み合わせると
13-14-15-16-17-18-19-21-23-25-28
となり、赤文字のところが綺麗に繋がってフルクロスとなります。

こっちの案はまだ考えているだけで実施していませんが、
実施したらまた記事に上げようと思います☆
変速性能がちゃんと出るかが課題かなぁ。

2015年2月13日金曜日

妄想ニホン料理

どうも、YMDです。
「13日の金曜日」は少し違った視線からの記事を☆

NHKで放送されている「妄想ニホン料理」という番組があるんですが、
最初に見た時に、このコンセプトはすごく参考になるなぁと感じました。

外国の料理人やパティシエの方に日本料理を作ってもらうのですが、
それ自体は特に取り立てて特徴のあることではないです。
この番組で面白いと思ったのは、
その日本料理について、すごく曖昧で漠然とした3つのヒントしか与えないところです。

当然、その料理のことを詳しく知らない外国の方々は、
自分なりにそのヒントを解釈して、
自分の持ってる知識や技術を使ってなんとか料理を完成させます。
もちろん、ほとんどの場合、元々の日本料理とはかなり違うものが出来上がるのですが、
そこには今までにない全く新しいものを作り出すエネルギーが発生していると感じました。
それに、僕らの感覚からすると「そんなもの使うのか!」っていう新しい発見もあったりで、
業界は全然違うけど、いい参考になります。

機械設計なんかの仕事に関しても、
今までのやり方や枠にとらわれずに全く新しい発想でモノを生み出すには、
このようなやり方もひとつかもしれないですね☆
何か行き詰まった時には、このように余分なものを一切削ぎ落とすと、
意外と新しい発想が出てくることもあるかと思います。

妄想ニホン料理
http://www4.nhk.or.jp/mousou/

2015年2月12日木曜日

シマノ11速クロスギヤレシオカセット

どうも、YMDです☆
本日は昨日に引き続き自転車ネタ。
今回はロードバイクのカセットスプロケットについて☆

シマノもデュラエース、アルテグラ、105が11速化され、
特にアルテグラや105にはロー32Tというローギヤードなカセットも存在します。
でも、ロー32Tのカセットのトップギヤは11T。
プロ選手や実業団等の実力のある選手でもない限り、
トップの11Tや12Tってほとんどまともに使うことはないですよね。
せっかくの11速なのにこのおかげで実質8~9速で使ってる人がほとんどかと。
加えて、そのおかげで歯数構成が11-32の場合だと、
11-12-13-14-16-18-20-22-25-28-32
となり、平地を30~35km/hぐらいで走るときのギヤが1枚飛びになってしまう。
脚力に自信がないから32Tを選ぶ人も多いと思うのに、
これじゃ何のための11速なのかと、僕自身感じることがありました。

そんなユーザーの気持ちを知ってか知らずか、
ジュニア競技向けとしてアルテグラに14-28カセットが今年から追加☆
このカセット、ジュニア向けだけじゃなく、
一般ユーザーにもピッタリの歯数構成となってます。

14-28カセットの歯数構成は、
14-15-16-17-18-19-20-21-23-25-28
となり、赤文字のギヤが増えた分、平地でよく使う領域がフルクロスになっています。

でも、やっぱり坂上るときの保険としてロー32も欲しい・・・

じゃあ、11-32カセットと組み合わせればいいではないか!

はい、やっと本題に入ってきました(笑)

というわけで、14-28カセットと11-32カセットを組み合わせて、
14-32カセットを作ってみましょう!

左側:11-32、右側:14-28

それぞれトップ側の6速分を分離して・・・

その6速分のギヤを入れ替えて・・・

完成!

14-32カセット、ホイールに装着!

この14-32カセット、歯数構成は
14-15-16-17-18-19-20-22-25-28-32
という構成となり、トップ側から7速目までがフルクロス!
なおかつ、ロー32Tも実現していて、平地からヒルクライムまで幅広く対応できます。
トップ14Tというギヤも、フロント側がコンパクトクランクであっても、
ケイデンス100程度で回せれば約45km/h程度までは出すことができるので、
レースなんかでは少し足りないと思いますが、ロー32Tが必要な方には十分かと。
(僕自身がそんな感じです笑)

実際にこのカセットで乗っていますが、やっぱりクロス化の効果は絶大で、
今までよりかなり楽にスピードを乗せていくことが出来ます。
ある意味、高価なホイールを使うより効果大きいかもです(笑)

違う種類のカセットを組み合わせているので、変速は問題ないの?
と思う方もいると思いますが、そこは同じシマノのカセット、
全く違和感なく問題ありません。

今回はこんな使い方もあるよっていう提案だけの記事になっちゃいましたが、
興味のある方はお試しになってはいかがでしょうか?
どこかがこういう歯数構成のカセットを作るのを期待しましょう☆

2015年2月11日水曜日

YMDブログ開始!

初めまして、YMDです!
個人ではブログ書いたりしてたんですが、
(これも個人っちゃ個人やけど笑)
情報発信とか提案?みたいなことも出来たらと思って、
ブログ立ち上げることにしました☆

YMDとはなんぞや?ってところなんですが、
YMD=YASUI Mechanical Design
というわけで、要は機械設計の仕事やってます。
レーシングカーとか複合機とかのメーカー勤務を経て、
現在はフリーで活動中というわけで。

で、趣味で自転車にも乗ったりするんで、
こんなものがあったらいいなっていうのを試作したりしてみてます。

こんなものがあったらいいな第一弾は自転車用可変長ステム!

 じゃーん!

 こんな風に長さ調整できます。

 ハンドル側は共通で、フォーク側は角度違いを何パターンかという仕様を検討中。

 実際に付けてみるとこんな感じです。
 試作なんで、形状はかなり無骨な感じですが・・・

この試作品の仕様としては、
・ステム長100mm~130mm無段階調整
・ステム角度0度~17度まで対応可能
・重量280g
・材質:アルミA2017(黒アルマイト)
といったところです。

最適なステム長を探し出すためのポジショニングツールとして使うもよし、
無段階調整ということでシビアなポジションを追求するのに使うもよし、
簡単にステム長が調整できるので、
平地やヒルクライムといったステージごとに調整するもよし、
といった使い方ができるかなと考えています。
絶対的な重量や剛性は一体型のものと同様とはいかないので、
(剛性に関しては通常使用には問題ないレベルにはなってます)
決戦時の道具には適さないと思いますが、
普段使いやトレーニング時には色々な使い方が考えられるんじゃないでしょうか?

ちなみに、特許性も少しありそうに思ったので、特許も出願中です。

製品化に関しては、ご興味のあるメーカー様募集中!です。
お問い合わせはyasui@ymd27.comまでお気軽にどうぞ☆