2015年4月3日金曜日

LMPカーのハイブリッドパワーはどれぐらい?

どうも、YMDです☆
また間が空いてしまいました。

モータースポーツのシーズンも開幕して、
色々なカテゴリーのレースやテストが行われていますね。
F1も好きですが、個人的には各メーカーがそれぞれのアプローチで
マシン開発を進めているWECが好きだったりします。

WEC(World Endurance Championship=世界耐久選手権)は
伝統のル・マン24時間レースに出場するマシンで戦われるシリーズですが、
現在はアウディ、トヨタ、ポルシェ、そして今年から参戦(予定)のニッサンと、
そうそうたるメーカーがしのぎを削っているシリーズでもあります。
先日の開幕前のテストでは二年目となるポルシェが調子の良い所を見せていました。

WECテスト:ポルシェが2日間の全セッションで首位
http://as-web.jp/news/info.php?c_id=9&no=64164

これらのメーカーが走らせているマシンですが、
その中身は実はハイブリッドカーだったりします。
日本ではプリウスが有名ですね。
プリウスとは少し違って、速く走るためにそのハイブリッドのシステムを使っています。
要するに、モーターの力をエンジンの力にプラスして走るわけですね。

そのモーターの力ですが、
レギュレーションによって1周の間に使えるエネルギーが定められています。
単位はMJ(メガジュール)で、
2MJ、4MJ、6MJ、8MJの4つのレベルのいずれかを選択します。
使うエネルギーのレベルによって、
エンジン側が使える燃料の流量(単純に言うとパワー)に差があって、
モーター側が使えるエネルギーが大きくなるほど、
エンジン側のパワーが小さくなるようなレギュレーションとなっています。

ル・マン・プロトタイプ (LMP)車両規定
http://ja.wikipedia.org/wiki/FIA_%E4%B8%96%E7%95%8C%E8%80%90%E4%B9%85%E9%81%B8%E6%89%8B%E6%A8%A9#.E8.BB.8A.E4.B8.A1.E8.A6.8F.E5.AE.9A

さて、このMJ(メガジュール)という単位、聞き慣れない人も多いと思います。
僕自身も、正直そんなに馴染みのある単位ではありません。
そこで、より馴染みのある馬力(PS)という単位に換算するとどうなるか計算してみることにします。

ジュールという単位はエネルギーの単位なので、
そのままだと仕事率の単位である馬力に換算することは出来ません。
ちょっと分かりにくいので、Wikipediaも載せときます☆

メガジュール
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%AB#.E3.83.A1.E3.82.AC.E3.82.B8.E3.83.A5.E3.83.BC.E3.83.AB

要は、「馬力×時間=ジュール」ということです。
そして、この馬力という単位は、W(ワット)という単位にそのまま変換できます。
これはイコールの関係です。
このワットは皆さんもお馴染みの、あの電気の電力の単位と同じです。

で、このジュールとワットと馬力の関係、
基本的な部分は下のようになります。

1ジュール=1ワット×1秒
1ワット=0.00136馬力

ということは、
1メガジュール=1,000,000ジュール=1,000,000ワット×1秒=1,360馬力×1秒
ということになります。

やっと具体的な数字が出てきましたね(笑)

ということは、最大の8MJを選択した場合、
1,360馬力のパワーを1周あたり8秒間発揮できる!!
136馬力なら80秒間も発揮できるということです。

この範囲の中で、例えば車速が落ちる低速コーナーの立ち上がりなどでは
システムの能力を最大限発揮させて素早くマシンを加速させ、
スピードが乗ってくるとハイブリッドをオフにする。
中速コーナーの立ち上がりは少しだけハイブリッドパワーを使う、
といった感じの制御が行われていると思われます。
そうやって最もラップタイムや燃費効率の良い制御を煮詰めていくのも、
難しそうですけどなんか面白そうですね☆

ちなみにこのハイブリッドエネルギーの選択ですが、
最大の8MJを選択しているのがポルシェ(去年は6MJ)、
ハイブリッドの先駆者のトヨタは6MJ、
ディーゼルパワーが強力なアウディは去年までは2MJで今年は4MJを選択しています。
今年新規参戦のニッサンは一番低い2MJと予想されています。
このようにメーカーによって選択が分かれるのも面白いところですね☆

では、今日はこれぐらいで・・・